定期的な内視鏡検査が大切です
胃がん・大腸がんの早期発見のために欠かせないのが定期的な内視鏡検査です。当院では胃と大腸の内視鏡検査を行っています。 がんは日本人の2人に1人が罹患する身近な病気です。人ごととは思わず、予防のためにも内視鏡検査を受けましょう。
早期発見・早期治療で根治が望めるがんです
患者さんの中には、「がん=死」というイメージから「検査を受けてがんだとわかるのが怖い」という方もいらっしゃいますが、医療技術が進歩した現在では、胃がん、大腸がんはともに早期発見・早期治療で根治する可能性が高くなっています。 このような症状の方に検査をおすすめします。
内視鏡検査とは、先端に小型のカメラが内蔵された管を口や鼻、肛門から入れて、胃や食道、十二指腸、大腸の中を調べる検査です。これにより、がんやポリープ、出血、炎症などをモニターで観察し、診断することができます。また、組織を採取し、顕微鏡で確認する細胞診検査を行うことで細胞を詳しく調べることができます。 胃と大腸の内視鏡検査は、消化器疾患の早期発見・早期治療だけでなく、適切な治療法を選択するための診断にも用います。
胃の内視鏡検査では、下記の病気の有無がわかります。 食道がん、胃がん、逆流性食道炎、胃潰瘍、十二指腸潰瘍、アニサキス(寄生虫が原因で腹痛や吐き気が起こる病気)など
胃もたれ、胸やけ、お腹の上部が張る、胃が痛い、吐き気が数日間続く、バリウム検査だけでは不安があるなど
1問診
患者さんのお悩み、症状、鼻の状態やアレルギーの有無、服用中のお薬などについてじっくりとお話を伺います。
2前処置
胃の中をきれいにするお薬を飲んでいただきます。鼻の中に血管を収縮させる薬剤をスプレーして出血しづらい状態にした後、検査時の苦しさを和らげるため、鼻の中に局所麻酔薬を注入します。
3管を入れる
小型カメラが内蔵された管を鼻の中に入れます。経鼻内視鏡は経口内視鏡と異なり、吐き気が起こる心配が少ないです。
4検査
胃の内部に異常がないかを慎重に見ていきます。肩と首に力を入れず、楽な状態で検査を受けてください。検査時間は5~10分程度です。
5検査終了
検査が終わったら管を抜きます。気分が悪いなどの変調があるときは医師に伝えましょう。
6ご帰宅
胃の内視鏡検査では鎮痛・鎮静剤を使わないため、検査後はすぐにお帰りいただけます。検査当日の車の運転は避けてください。また、激しい運動も控えましょう。飲食は検査終了の1時間後から普段通り可能です。
大腸の内視鏡検査では、下記の病気の有無がわかります。 大腸がん、大腸炎、潰瘍性大腸炎、クローン病、ポリープ、痔核など
便に出血がある、下痢が続く、下腹部が張る・痛い、便に粘液が混じる、便の色がおかしいなど
1準備
検査前日の夕食には注意が必要です。野菜や繊維質を含んだ食材などは避けてください。前日の夕食として好ましい食べ物を事前にお伝えします。水やお茶、スポーツドリンクなどは飲んでいただいても問題ありません。検査前日の夜は下剤(錠剤)を飲んでいただきます。なお、お薬を服用されている方については、患者さん一人ひとりに合わせた対応をご説明します。
2腸管洗浄
朝の6時頃からご自宅で腸内をきれいにする液体(腸管洗浄液)を合計2リットル程度数回に分けて飲んでいただきます。腸内がきれいになった目安は、便が透明な液体(水様便)となるまでです。
3問診
検査の前に便の状態などについてお尋ねします。排便が不十分で腸内がきれいになっていない場合、下剤の追加や浣腸などの処置を行う場合があります。
検査着と検査用パンツに着替えていただいた後、検査を行います。検査時には不安を感じにくくするための鎮静剤、場合によっては痛みを感じにくくするための鎮痛剤を使います。検査時には会話をすることも可能です。
5ご帰宅
検査時に鎮静剤や鎮痛剤を少量使いますので、検査後30~40分は当院で安静にしていただきます。検査当日のお車の運転は避けてください。また、激しい運動も控えましょう。飲食は検査終了の1時間後から普段通り可能です。なお、検査後の便に少量の血が混じる場合があります。気になる症状がある場合は医師に伝えましょう。